事件報道記事


マニアの間で「神」扱いの異常 “猫虐待”鬼畜税理士の素顔

日刊ゲンダイDEGITAL 2017年9月1日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/212574/1

 異常な動物虐待マニアの間では「神」と呼ばれていたという。

 

 鉄製のケージに閉じ込めた猫に熱湯をかけたり、ガスバーナーであぶるなどして殺害した鬼畜男が捕まった。動物愛護法違反の疑いで27日、警視庁保安課に逮捕されたのは税理士の大矢誠容疑者(52=さいたま市)。大矢容疑者は昨年1月~今年4月にかけ、少なくとも12匹の猫を虐待し、その模様をネットの動画共有サイトに投稿していた。

 

「大矢容疑者は自宅から約80キロ離れた深谷市にある、かつて親戚が住んでいた廃屋の近くに、鶏肉を入れた鉄製のワナを仕掛けていた。小屋は人目につかないところにあり、周囲に住人もいなかった。そこで捕まえた野良猫を縦横29センチ×奥行き65センチの狭いケージに閉じ込め、繰り返し熱湯をかけたうえ、逃げ惑う猫を黒焦げになるまでガスバーナーであぶった。またショコ棒と呼ばれる紐のついた棒で猫を吊り下げ、そのままグツグツ煮えたぎる熱湯に沈めていた。死体の肛門にノズルを突っ込んで水を注入したり、キバをペンチで引っこ抜くなど、目を覆いたくなるような行為を繰り返した」(捜査事情通)

 

 残虐極まりないが、ネット上ではそんな大矢容疑者のファンを名乗るサイトまで立ち上げられたというからどうかしている。大矢容疑者はいかにも税理士らしく、犯行の手口は狡猾だった。

 

 「足がつかないよう、ショッピングモールなどのフリーWi―Fiだけを使って動画を投稿。動画には、自分の声や現場周辺の音が入らないように細心の注意を払っていた。身元が特定されそうな雑音が入った動画は一切アップしていない。だから叫び声や猫がのたうち回る音声だけだった。動画に大矢容疑者の顔は写っていませんでしたが、端末などから本人を特定。動画ではガスバーナーを持つ大矢容疑者の右手の軍手と袖口の間に、わずかに傷が見え、それが本人と一致しました」(捜査関係者)

 

 調べに対し、大矢容疑者は「猫はふん尿が臭く、爪研ぎをする。有害動物なので法律違反にはならない」と、悪びれる様子はまったくなし。

 

  税理士といえば、国家資格の中でも最難関のひとつといわれるが、一般的に、税務署に23年以上勤務すると試験が免除され、指定の研修を受ければ資格を取得できる。大矢容疑者も元は税務署員。川越税務署で調査官をしていた2006年、強引な税務調査を行ったとして、地元の商工会から抗議を受けている。

 

「課税対象者が不在の時に許可なく敷地内に車を乗り入れ、無断でメモを取っていたと問題になりました。所有者が『何をされるか分からないので信頼できる人物を立ち会わせて欲しい』とお願いしたところ、『税理士以外はできません』と言い、そばに置いてあった動物の置物を指して、『ああやって黙っていれば別ですけどね』と言い放ったのです。エラソーな態度で、上から目線はすごかった」(当時を知る商工会関係者)

 

 動物愛護法違反は2年以下の懲役、または200万円以下の罰金だ。
「執行猶予付きでも禁錮以上の有罪判決が確定すると、税理士の登録は抹消され仕事ができなくなりますが、罰金刑の場合は抹消されません。つまり、税理士を続けられるのです」(税理士会関係者)

 

 マニア連中から「神」ともてはやされた動物虐殺犯が、すぐに社会に舞い戻ってくるかもしれない。